ホントは怖い和文交信

今回は、先日の早朝に

無線で交信したときの話題です。

 まったくアマチュア無線をご存じない読者のかたは

野球の話ではないんかいと、お思いでせう。

 

ワタシのアマ無線歴はこの10月で22年目で

5年まえからは、その軸足が日本語で電信をやる和文交信に移っております。

何度かここで書きましたが、サミュエル・モールスが考案した

あのモールス符号で日本語を紡いで無線交信をするというのが

和文交信であります。

 

欧文のモールス符号は、モールスが図書館の新聞で調べて

使用頻度の多い順に短点と長点を組み合わせていったそうなんですが

日本語のそれは、明治の初めにモールス符号を日本語に移植するに際して

頻度を無視してイロハをABC~の順にこじつけていって

足らなくなってから、適当に短点と長点を組み合わせて考案したものだから

冗長で長い符号がたくさんあって、イロハの数だけ符号を暗記して

なおかつ符号がダブっているアルファベットも暗記して

さらに0~9までの符号を暗記しないと、日本語の交信は成立しないのであります。

 

モールス符号を暗記していくという面倒で困難な苦行を経験して

そのあと、実際に無線機でお空を飛び交っている無線電信を聴くと

よくわかるのですが、

①あたまで暗記してそれを筆記する作業と

②信号を聴いてそれを脳内で日本語に再生する作業は

脳の生理上、まったく異なっていることに気づきます。

 

①と②のギャップを埋めて少しづつトンツーと日本語の距離を短くして

会話に繋げていくのが、すなわち和文交信という

ある種悩ましい作業なのであります。

 

結果、私のように未だ聴き取りレベルが拙い初心者は

なかなか相手の送信符号を完璧に日本語に再生できないというジレンマに

常にさいなまれます。

 

ここからが、今回の主題です。

ワタシは今年に入って

まったく日本語モールスを理解できない初心者でも

パソコンにそれをダウンロードして

無線機とそのパソコンをつなぐだけで相手の和文符号が

パソコンの画面に現れる夢のようなソフトを手に入れました。

http://www.geocities.jp/ja3clm/

ワタシは、つねづね大きな顔をして和文交信をやっていると

公言しておりますが、あいての送信符号を一字一句理解して

無線交信できている訳ではありません。

だいたいの内容を理解して、返信しているわけで

たまに、あるいは頻繁に、相手のハナシをあまり理解しないまま

適当にあいづち打って、了解了解!と調子を合わせることもなきにしもあらずです。

そのことは、胸を張って(オイオイ)全世界にむけて誰はばかることなく宣言できます。

 

そんな私が、無線機でお話しましょう!と(つまCQ,CQですな)

お空に向けて電波をだすと、

ほぼ9割がた必ず応答して頂ける親切なかたがお見えです。

 

今月3日の出勤まえ、久しぶりに時間がとれて

先日購入したYAESUのFT-991という無線機でCQを出したところ

 ほどなくしてそのお友達が声をかけてくれて

たのしいトンツーの日本語交信が始まった訳であります。

無線機のそばのパソコンには、もちろん

そのモールス⇒日本語翻訳のソフトが装備されております。

定例の朝のご挨拶のあと、私たちの交信が主題にはいったときに

かれの送信内容をパソコンで解析したワタシは愕然としました。

 

画面にでてきたのは、、

大阪府では、明日明け方まで急な強い雨や落雷に注意してください。

近畿地方は、前線の影響で雲が広がり、雨の降っているところがあります。

今夜の近畿地方は、前線の影響で雲が広がり、

次第に雨となるでしょう。 雷を伴うところもある見込みです。

明日の近畿地方は、前線や湿った空気の影響で断続的に雨が降り、

雷を伴うところがあるでしょう。

それでは、本日もお仕事がんばってください、73>

 

実際の画面はすべて、ひらがな表記になりますし

電波のことですし、またもちろん解析ソフトの精度も

完璧ではありませんから、

これほど完全な日本語ではなかったのですが

送信内容は、その朝のお天気の概況でした。

 

わたしの個人の感想なのですがこの送信内容は、おきて破りなのです。

それは、ある程度以上の高速の和文符号で

これだけ濃密な話題を送信されて、理解するには

相当レベルの和文符号の理解力が必要だからです。

あまり理解できていないのに、適当に相槌をうっていた罰が

あたったのかしらん。

日本語モールスを楽しむには、

まづ平易な日本語会話であることが大切だとおもうのですがね。

 

それに対してワタシが返した内容は、

<じつは先日、和文符号を解読してくれるソフトを

手に入れました。それでいまの送信内容を読み込んだところ

ほぼ完璧に再生できましたよ、。

今のワタシの理解力では、

このソフトがないと、いまのお天気の話題は半分も理解できません、ハイ。>

 

こうしてその朝の和文交信は終わりましたが、なんだかなぁ。

どうせ理解できないだろうからと、

新聞のお天気の概況を送信したのかな?。

でも相手の人格を尊重したうえでの和文交信のはずですから

それってある意味、コワイですよね。

相手の理解力を慮ってする和文交信を心掛けないと

どこで誰がワッチしているか分からないのが無線交信ですから

送信内容によっては人格が問われることもあります。

ましてや、和文交信はだれでもワッチすれば

会話の内容を理解できるわけではありません。

 

 皆さんに、わたしの拙い筆力で、うまくニュアンスが伝わったでしょうか?。